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鳳凰

Blog 2018.04.09 Monday


鳳凰の鳳は雄、凰は雌。
このような説もあり、対称的な意味合いがひとつとなり、名をなしている伝記上の動物。

詳しい説明は割愛しますが、そういった対称的な意味合いを持つものを対称的に彫るというのもまた、良いのではと。

鯉や龍での昇り降り、はたまた唐獅子や蛇の阿吽の表現等、日本の刺青では対称的なデザインは美徳があるようにも見えるかと思います。

今回は元々入っていた彫り物に合わせて、対称を取る事になりました。

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こちらは10年程は前にラインはマシン、ボカシは手彫りで彫られたもので、しっかりとしたボカシの重さもあり、色もバッチリはいってましたので、マシンでも負けない雰囲気と、テーマとしては前述した雌のイメージでという事でしたので、華やかさを意識した細かさでスジを取りました。

ようやく先日こちらも仕上がりまして、当日更にリクエストが有り、胸に朏(三日月)を。


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個人的に左右のバランスや、色の違いの中でもなんとか負けてない感じで表現出来たのではないかと思っております。
あとは経年変化による退色や滲み、馴染みの度合いですね。

一先ずはお疲れ様でした!


Work by Satoshi

The process of cover up tattoo

Blog 2018.04.01 Sunday


刺青、タトゥーは一生物。


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誰もがそう理解して関わっているはずなのですが、様々な事由で不要に感じたり、変化を求めたり、なかった事にしたい等、、、そういった場合に彫り手としては可能な限り期待、希望に応えられるよう努めたいと思うものです。
この業界では、真っ新な身体に綺麗に彫るのは当然、いたずら彫りや、肌のトラブル、他所様の続きもの、彫り直し所謂カバーアップですね、こういった事が出来て一人前とは良く言われてきました。


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勿論自分はまだまだですが、カバーアップに当たり出来る事、出来ない事の見極め、これが何より重要と考えています。
完全に見えなくしたい割合、少し透けても良いから左右、もしくはトータルのバランスを重視したい等、都度臨機応変に考えるべきだと思っています。

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その上で最善の策を決め、気合いというかもはやただの意地というプライドを持って消しにかかります。


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カバーアップが失敗に終わった時が一番悲惨です。
それをまたカバーする為にカバーアップのカバーアップという訳の分からない事になってきます。
肌の彫れる回数にも限界があります。


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ホワイト系で既存のタトゥーを薄く見せるのはただ上から彫るだけで簡単そうですが、色、カラーインク等をかなりしっかり彫れるタイプの彫師でないと厳しいと思います。インクの色、濃度、粘度、刺す深さというか入れ込む度合いというか、この判断は経験してきた事からでしかありませんね。


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ようやく黒のボカシが終わった所です。
グレイ系のカラーインクを使うパターンもありますが、今回はあくまで黒を薄めたもので対応しました。
ベースのホワイト系のインクの上に乗る形になるのでどうしてもカラーインク感は出ます。。

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ホワイト系のインクを使って薄くした所も、後々黒が浮いてきたりします。。
肌の治りと色味を見て必要最小限で再度突っ込んだりもします。


ここからお客さんの都合もあり、結構間が空きましてちょうどよく下から浮いてくる度合いも確認できました。
次回こういった仕事の際、それがまた肥やしとなります。


そうして先日最終行程として本来でしたら火炎もカバー力を考えて暗めの色味にするか、黒に近い寒色系が隠すには必要なのですが、反対の腕にある悟空の色味と合わせたくてですね、多少透けて見えてしまっても遠目の色味のバランスを重視して火炎は朱でいきました。


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Before

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After


本来カバーアップなんてしなくて良いように、入念に打ち合わせをする事や、彫師側からの提案や忠告をしっかりと聞いて頂いて話し合っていけば基本的に双方納得した仕上がりになるものです。

こちらとしては技術的に未熟すぎる物のカバーアップはまだ理解出来ます。
一生懸命彫られたクオリティの良いタトゥーのカバーアップをするのは、クライアント側の問題の割合の方が大きいはずです。技術のクオリティが良くてもデザイン性に問題を感じるものもありますが。。
ただ、自身の気持ちが変わってしまった以上、その結果カバーアップを決断したのであれば、そのカバーアップこそ失敗の無いよう任せられる彫師を決め、熟考してモチーフや色味等、時間をかけて相談しながら進めて頂きたいと思っております。

こんな事を言いたくなるくらい、カバーアップしたいと言われてるものが既に一回カバーしてる物や、傷になって凹凸の激しいもの、かなり広範囲に渡ったものなど、こちらとしても本当に名案と呼べる方法がなかなか見いだせず頓挫してる案件も多々ある現状です。


かっこ良さとか雰囲気より今回はリアルが重要かと思い、全ての画像は無加工でただただiphone7で撮ったものを掲載してます。
カバーアップで悩んでる方やその可能性にかけたい方の参考になればと思います。
個人的な見解ですが、今回のカバーアップの具合がカバーしたと言える合格点の割とギリギリの所かと思っています。
とにかくカバーアップこそ慎重になるべきです。肌に入れ込めるインク量には限界がありますから。

All photograph are not photoshopped.
Thank you for looking.

This cover up work by Satoshi

長文疲れた

DEADEE

Blog 2018.03.27 Tuesday

弔いや思いの残し方は十人十色ですが、TATTOOという形を選ぶの有れば大なり小なりデザイン性は重要です。

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work by heiwa


亡くなってしまった猫さんのポートレイトを綺麗な雰囲気で・・・と、前向きな姿勢で打合せさせて頂きました。


痛みがキツイ部位ですが、最後まで我慢して頂けて良かったです。


お疲れ様でした!

2nd Session.

Blog 2018.03.20 Tuesday


最初の打ち合わせは昨年4月。。

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ざっくり描いたものなのでバランスも悪いのですが、依頼自体もそこまで大きすぎないようにという事でしたので、このくらいのサイズ感に納めようと思って描いたものです。

ここからは紙の上でひたすら描き込みまして、こちらの都合もあり先月ようやくひと彫り目になるのですが、それまでの間にも何度か来てもらいサイズ感や細かい位置の調整をしておりました。


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ここまで来てようやく大詰めです。
最終的な調整をしてようやくひと彫り目。

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これが先月でして、今回は二回目のスジ彫り。

前回から繋げなくてはいけないところ等は直接筆で描きます。

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この宝鉤(鉄鉤)の線をどの角度から見た時を優先するかで悩み、かなり時間つかいました。。


そうしてようやく、おおまかな全体のスジが二回目にしてとれました。


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ここからは太彫りといって、この細いスジを部分部分太くしてインパクトを出していきます。
足元に蓮華座も後々追加予定です。


大まかな背中の時の流れは現状このようになります。


後二人程背中待ちの方がおられますので頑張って下絵考えます。。。


Work by Satoshi

烏天狗

Blog 2018.03.16 Friday

天狗の伝説や物語は全国各地でそれぞれ諸説在りますが、今回は魔縁天狗を。

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work by heiwa


額や見切りを使わず抜き彫りなので、色味や細工で"日本刺青"として渋い雰囲気どうを出すかが専ら考えております。

痛みがキツイ部位ですが気合で後数回、宜しくお願いします!


First and Last

Blog 2018.03.10 Saturday

軍荼利明王

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背中一面のみ!
激しくお勧めです。

夏でも半袖でどこにでも行けますしね。
日本的な隠す美学の最高峰ではないかと。


長々下絵をお待たせしておりましたが、ようやく一発目。
彼にとってはこれがファーストタイムです。

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一発目からかなり長時間やらせてもらいましたが、なんせ軍荼利明王は腕の本数や持物なんかも多くてですね、その上各腕に腕釧、臂釧に留まらず蛇まで巻き付いてる訳です。5時間くらいスジ引いてました。。


身長も180以上あるので、かなり縦長の制作範囲になりますが、バランス良く立像を突っ込みます。
来週には下半身に進みます。
次回も頑張りましょう。お疲れ様でした!


Work by Satoshi

DONE

Blog 2018.03.06 Tuesday

B&G  "Jesus"

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打合せ時に色々話をさせて頂いて、大幅なオーダーの変更。


色々ご自身で調べてから今回の作品に相成りました。

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work by heiwa

現状だとジーザスが浮いているので、ゆくゆくは背景やサブモチーフを追加して身体に馴染ませていければと思います。

一先ずお疲れ様でした!

日本刺青

Blog 2018.03.02 Friday


彫り物とは片腕だけでは呼べません。


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後は主題の蛇のみ。

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浅めの控えはど真ん中に何かしらを突っ込む為。

まずは両かいなの仕上げまでもう少し我慢ですね。


Work by Satoshi

All-Seeing

Blog 2018.02.26 Monday

キリスト教の摂理という意味である、プロビデンスの目。


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work by heiwa


首回りの日焼けが気になるところですが、自分的に挑戦した事もあるので治りが楽しみです。

ファーストタトゥー、お疲れ様でした。

Memento mori 

Blog 2018.02.21 Wednesday

日頃大変お世話になっている成田さん。

その成田さんのお店"Consigliere" Jewelry Store。

依頼を頂き、こちらの The "First" Memento Mori Skull Ring with mandibleをモチーフに描く。


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画材は鉛筆のみ!
強いて言うならあとはねり消し...

こうして仕事として携われるのは嬉しい。成田さんのお店で見れます。

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スキャンデータよりもちゃんとフレームに入れた方が雰囲気も良いです。
このフレームに収まる事も踏まえて描いた意味があったのかも。

このメメント・モリ。

自分自身、結構死を意識して生きている方だと思っているのですが、お客さんの中には"Memento mori"と言葉をそのまま彫ってる方もいます。

その内の一人、今月の6日にアルブレヒト・デューラーのプレイングハンズを。


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何度も同じ絵で彫ってきたものですが、毎回少しでも以前より良くしようと思い、自身で下絵を描いてから彫っています。


翌日7日、この方も腕には"Memento mori"

所謂マリア様ですが、イメージ的にはThe Virgin Mary よりはHoly Mother って感じです。


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ラフスケッチの様にいったパターンです。
太めのラインも一発で彫ってるので痛みきつそうでした。。
お疲れ様でした!

そんなこんなで、この翌日8日に上のスカルリングの絵が出来ました。

ちょっとした偶然の3日間。


そしてなんと、Consigliereでのこの"Memento mori" スカルリングは3部作だそうです!


お後がよろしいようで...


Work by Satoshi

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